ところで、「竜馬」(りょうば、たつのま、りょうま)というのは、古代中国の思想による竜と馬が
交わったとされる架空の生き物だ。
竜の血の混ざった馬で、一駆千里も走ると言う天馬だ。
その思想は日本にも古くから入っていて、万葉集にも出てくる。
太宰師大伴卿(だざいのそちおおとものまえつきみ)が奈良にいるいとしい人(丹生女王ともいわれる)に送った歌
竜の馬も今も得てしかあおによし奈良の都に行きて来んため
そして、その返歌
竜の馬を我れは求めむあおによし奈良の都に来む人のたに
「竜馬」があれば奈良の都に今すぐにでもいけるのになあと言うと
私も奈良の都に来る人のために竜馬を求めたい
と返している。
このように、「竜馬」の俊足には奈良時代から人々はあこがれていた。
坂本竜馬は、実名が直柔(なおなり)。竜馬は通称である。
通称は実名のほかに、元服の際に親に付けてもらう名のこと。